異国のスーパーで試食販売をすることになりました
主な仕事は商品の配送と在庫管理ですが、僕の会社のインターンは、週に1回ほどスーパーでの試食販売に駆り出されます。一人で。
「ラーメン試食しませんか~?」
週一でこんなことしてます。恥ずかしいです。
「試食販売って、スーパーの店員さんか試食販売専門のバイトの人がやるんじゃないの?」って思いますよね?
確かにアメリカも日本も、ほとんどの試食販売はスーパーの店員さんがやっているでしょう。しかし食品会社の社員がわざわざスーパーまで出向いて、自社製品の試食販売をするケースもあります。
どうしてそんな方針を取る会社があるのでしょうか?
理由はアメリカ人って食にめちゃめちゃ厳しいからです。サンフランシスコ周辺だけかもしれませんが、このあたりに住んでいる人たちは食事に気を遣う人が非常に多いのです。
「アメリカ人ってみんなハンバーガーとか体に悪そうなのばかり食べて、ブクブクに太ってるんじゃないの?」って最初は思っていました。それも間違いではないです。日本ではなかなか見られないフィジカルの方々もたくさんいます。
しかし逆に、「砂糖一切取りません!」「ベジタリアンです!」「オーガニックのものしか食べません!」という人もたくさんいます。そうです二極化しているのです。
そしてスーパーで買い物をするような人は圧倒的に後者が多いです(スーパーによりますが)。食に厳しい人は食事のできるレストランも限られていて、自分で信頼できる食材を買って料理をする機会が多いからでしょう。
そんな彼らに試食させるのは簡単ではありません。原産地はどこか、~~が入っていないかなどの細かい質問に正確に答え、彼らの条件を満たさないと試食してもらえません。パッケージに書いてある原材料も事細かにチェックされます。
したがって、特定の商品に関してあまり詳しくないスーパーの店員さんに試食販売をさせるよりも、実際に働いている社員を試食販売に送り込む方が効果的なのです。
このような環境なので、このあたりの食品会社は健康的な食品ですよという公的な認証を得るのに必死です。その認証がないと買わないという人が多いですからね。僕の会社は長年商品開発に力を費やして、いくつかの認証を得るのに成功したので、厳しい奥様方の条件をクリアできる自信はあります。
しかし会社の商品は、競合のたくさんいるアジア系のスープや麺です。西海岸を中心に数多く展開している2つの大手スーパーに商品を置かせてもらっていますが、スーパーに来る約95%のお客さんは僕たちの会社のことを知りません。
少しでも多くの人に会社の商品を認知してもらう。これを目標に、僕たちの会社は地道に試食販売を続けています。
正直に言いましょう。僕はこの仕事が本当に嫌です。無視されることも多々ありますし、お客さんが全然いなくて退屈な時間も結構ありますからね。
まあ試食販売している人を見て「面白そう!やってみたい!!」って思う人はほとんどいないでしょうし、「楽しすぎる!」と思いながら試食販売をやっている人もほとんどいないでしょう。
しかし普通の人が経験できないようなことを経験していることは事実です。異国のスーパーでラーメン配ったことある日本人大学生なんてそうそういないでしょう。
そんな謎に包まれた異国の地での試食販売。もちろん試食販売員の数だけ試食販売のやり方があるので、これが試食販売のすべてというわけではないのですが、僕の数十回にわたる異国での試食販売の経験から試食販売って具体的に何をしているのか、ご紹介しましょう。(試食販売試食販売うるさいですね。ごめんなさい。)
まず一日のスケジュールはどんな感じなのか。
10:00: スーパー到着。ストアマネージャーとお話し。
10:15: 準備開始。どこからかお水を頂いて沸騰させる。同時にスープを温める。
10:30: ラーメンを豪快に茹でて、試食販売開始。
1:00: 試食販売終了。どこかで鍋を洗ってスーパーを去る。
3:00: 二件目のスーパー到着。以下同じ流れ。
基本こんな感じのスケジュールです。
まず最初にストアマネージャーと何を話しているのかというと、商品がどこに置かれているか、ちゃんと置かれているか、十分な数の商品が棚に置かれているか、裏の冷凍庫に在庫があるかなどを確認します。
ここで今日の試食販売がうまくいきそうか大体わかります。ストアマネージャーの良し悪しがそこで働く店員さん、お客さんの入りの良し悪しに直結しています。店員さんが明るくて、試食販売のサポートを徹底的にしてくれて、お客さんの入りも良いスーパーのストアマネージャーは決まって良い人です。
とあるスーパーでは、ストアマネージャーがスタバのコーヒー片手に1時間遅刻してきた上に、賞味期限切れの商品を棚に置かれていて、一言も謝ることなく「下のやつが悪い」と文句を垂れ流されるということもありました。まあこんな人が上に立っている組織では下の人も付いてこないでしょうし、お客さんも入らないですよね。
こんなスーパーもたまにあるので、自分たちの商品がお客さんの手にしっかり届く環境が作られているかの確認も試食販売の仕事に含まれているのです。
お店で働いている人の雰囲気が、置かれている食材の良し悪しに繋がっているのだと痛感しました。自分が通い詰めるスーパー選びも慎重に行った方がいいですね。
そんな話し合いが終わった後はテーブルをセットして準備を始めるのですが、ここで面白いなって思うのが、準備中なのにお客さんがぞろぞろ寄ってくるんですね。
日本人はなにか違うことをしている人がいると遠目で「何か変なことしてるなー」ってチラ見するだけの人が多いと思いますが、こちらの人はそういう人を見ると「何をしているんだ?」どぞろぞろ寄ってきます。
例えば、ラーメンを鍋からざるに載せて豪快にバサッと水を切ると、目撃した人は「なんだなんだ!?」と寄ってきます。試食販売中は派手な動きなどなく、配っているだけなので、準備している時が一番お客さんが勝手に寄ってくるのです。
では試食販売中の地味な時間帯はどうすればお客さんを呼び寄せられるのか。
たまに見かける、「ラーメンいかかですか~~?」と叫んで注目を浴びる方法もありますが、恥ずかしいですし、個人的にあまり効果的でないと思うので実践していません。
数か月の試食販売経験で効果的だなと思ったのが、近くに来たお客さんをテーブルの前に少しでも長い時間立ち止まらせることです。試食するしないに関わらずです。
先ほども述べた通り、こちらの人は何か違和感がある光景を見ると「なんだなんだ!?」と寄ってきて、違和感の正体を掴もうとします。
試食販売中は、大きな声を出して注目させるより、自分の周りに少しでも多くの人を立ち止まらせる光景を作ることで違和感を作り出すのが効果的だと気が付きました。見慣れないテーブルの周りに数人だけでも人が立っていたら「なんだなんだ!?」と自分も寄りたくなりますからねこちらの人は。
その点、食べ物に厳しい奥様方はありがたいです。立ち止まって色々と質問をしてくれるので。違和感を作り出すのを手伝ってくれます。食べ物の話に関係なくても立ち止まらせるだけで効果的です。(この前はNHKの話で盛り上がりました)
ということで、もし急に異国で試食販売をすることになってしまった!という方々にアドバイスを送るなら、
- 派手な動きで注目を集める
- 自分の周りに人を立ち止まらせて注目を集める
ですね。これで多くの人に商品を試食させて知名度を上げることができます。
「そんな機会ないよ!」という方々、僕も異国で試食販売をするなんて夢にも思っていませんでした。「そんなことも将来するかもしれない」って思っておいて頭の片隅に入れておくのも損ではないでしょう。このアドバイスが将来誰かの役に立てたら幸いです。
最後にこの心の底から嫌な仕事ですが、本当に英語のスピーキングとリスニングの勉強になります。色々な国籍、年齢の人と話しますからね。しかも立ち止まらせる作戦のために食事に関係ない話もするので。
この記事見ると、「この人英語でストアマネージャーと色々お話したり、色々なお客さん相手に商品の詳しい説明したり、食事に関係ない話して引き留めようとしたりすごいな」と思ってしまうかもしれませんが、全然すごくないです。まだ全然英語でスラスラ会話できてないです。
何度も聞き返したり、質問と全く関係ないことを答えたり、適当にYESと答えてしまったり...。何回もしかめっ面をされました。一番屈辱を感じる仕事だから心の底から嫌なのです。
しかしお話する人のほとんどが二度と会うことのない人でしょうし、そんな小さな会話のミスだなんて相手はすぐに忘れてしまうでしょうし、何も気にすることはないのでしょう。
アメリカに来て3か月半、自分としては英語が伸びている実感が全くないのですが、日本でほしがっていた、意地でも英語を話さなくては環境にいるのは間違いないです。
アメリカ生活も折り返し。 頑張ろう!
スピードが命?スタートアップの特徴
インターン先は創設10年目ぐらいの食品メーカーです。アジア系のスープや麺が主な商品で、アメリカ中のお客さんに買われていて、いくつかの食品会社やレストランのメニューにも使われているそうです。
僕の主な仕事は、商品の配送と在庫管理です。お客さんのオーダー通りに商品を箱に詰めて配送業者の人に渡したり、お客さんの需要や冷凍庫のスペースなどを考慮して商品開発チームと生産量を決めたりしています。
社長や社員さん曰く、この会社は”スタートアップ”だそうです。
「創設10年目って結構経ってない?」「スタートアップってIT企業のことを指すんじゃないの?」と思ってしまいますが、そもそも”スタートアップ”の定義は何なのか調べてみたところ、
全く新しいビジネスモデルを開発し、短期間で急激な成長を遂げてイグジット(株式上場や株式売却)を狙う人々の一時的な集合体
スタートアップって何だ?|エンジャパンの転職大辞典|エン転職
だそうです。
この定義を見るとなおさら「うちはスタートアップと呼んでいいのか?」と思ってしまいますが(特に”全く新しいビジネスモデル”と”一時的な集合体”の部分)、社長がスタートアップと思っていればスタートアップなのでしょう。業種や創業何年以内という定義もないですし。
実際、この10年は商品開発や人材確保の土台作りに注力していて、最近になってようやく一般向けに販売を始めたようなので、事業自体はまだ始めたてです。いろいろなことが目まぐるしく動いていきます。
なんだかんだ働き始めて3か月経ちましたが、この3か月(自称)スタートアップで働いてみて気づいたことを紹介していきたいと思います。
マニュアルは自分で作る
先ほど説明した通り、主な仕事は商品の配送と在庫管理です。今までは基本的に会社の近くのアメリカ西海岸が主な配送先だったのですが、僕が来る直前にAmazonでの販売も始め、最近一部のお客さんから高いレビューを頂いたおかげで、一気にアメリカ中から注文が来るようになりました。Amazon半端ねえ...
お客さんが増えるのはいいことですが、新しいことをすると必ず新しい問題に直面します。僕がここ最近まで直面していた問題は「気温」です。
僕が住んでいる地域は肌寒いのですが、季節的にはアメリカも夏です。会社の商品は普段冷凍庫に保存されていて、冷たい状態でお客さんに届けなくてはいけないので暑い地域や遠い地域への配送は大変です。アメリカってでかすぎる上に、州によって気温が全然違う...。
ここ2か月間、お客さんから「スープが熱いんですけど!」という苦情メールをたくさんいただきました。みなさんごめんなさい。(特にテキサス州の方々)
Amazon販売を始めてから初めての夏なので、保冷剤をどれだけ箱に入れたら良いかなどのマニュアルなんて存在しません。僕が失敗を重ねながら答えを見つけなくてはいけません。
結局、配送先が○○度以上なら、保冷剤○個とドライアイス○ポンドなら問題ないと結論を出しましたが、今度は「配送コストがかかりすぎる」という新たな問題に直面したので、今はこの問題の解決策を考え続けています。
「気温」の問題と向き合っていた2か月間、お客さんのクレームと失敗だらけで家帰ってもしょんぼりしていましたが、最近ようやくこれらの失敗を前向きにとらえることができるようになりました。
マニュアルってあると便利ですが、その通りにやればうまくいってしまうので何も考えなくなってしまいます。マニュアルがないからこそ自分で色々考えながら仕事ができますし、今まで全く縁のなかったアメリカの会社の仕事のマニュアルの一部を自分が作っていて、今後働く人に重宝されるんだと考えると誇らしいです。会社に爪痕残してます。
新しい問題に直面するたびに頭を抱えて悩み続けますが、自分で一から解決策を考えるという経験をたくさん積ませてもらっているのはかなり大きいです。
無茶ぶりの連続
社長から直接「今日中にこれやって!」と新しく任される仕事が、まれに「いやいや無理っしょ!」という量だったりします。
社長が鬼なのではありません(たまに鬼です)。新しい仕事なので誰も適切な仕事量を知らないのです。
僕も社長も日々試行錯誤の連続です。何年も開発に費やした商品も実際売れないとなると販売を即やめますし、スープの売り上げが伸び悩みそうな夏に向けてに冷たいヌードルサラダみたいなのを開発しようと急に決まったりします。これらの新しい決断に振り回され続けてます。
このヌードルサラダの試作品作りと配送という仕事もよく頼まれる仕事です。今となってはヌードルサラダ24個が一日の限界と判明していますが、最初に任されたときは60セットでした。
僕も社長も、最初は何個のヌードルサラダを作って配送するのが一日の許容範囲か知らないので、60個頼まれたときは「オーケイ!!!」となんの疑問もなく引き受けましたが、麺をひたすら茹でている最中に「これ無理じゃね?」と気づきました。
結局その日は配送時間に間に合わないうえ、夜10時まで一人で麺を茹でてサラダを盛り付けていました。この日以上に「アメリカに来て何をやっているんだ俺は...」と思った日はありません。
(社長に「あれは無茶ぶりすぎた」ということで一日お休みをもらえたので、2時間半かけてDAMとJoySoundが搭載されているカラオケ屋さんに行ってストレス発散してきました)
これほどの無茶ぶりはもうないですが、たまに「うおっマジか!」という仕事量の仕事を任されます。未知数なことに関しては誰も適切な仕事量を知りませんからね。
ただ新しい仕事の後には必ず「昨日のあの仕事やってみてどうだった?」とフィードバックを求めてきます。インターンの意見も尊重してもらえて迅速に改善してくれるのはありがたいです。
早さよりも正確さ
スタートアップと聞くと、「とにかく早い!早く仕事を回さなきゃ!」というイメージでした。確かに色々なことが目まぐるしく動いていくのですが、実際に重視しろと言われるのは早さよりも正確さです。
僕の会社には、一日に何度も飛び交う合言葉があります。ダブルチェックという言葉です。
最初に挙げた暑い地域への配送のように、初めて直面するミスには寛容ですが、商品の個数間違いのようなケアレスミスにはかなり厳しいです。
事業始めたてのスタートアップはまだ認知しているお客さんも少ないですし、その少ないお客さんに対して、防げるはずだったケアレスミスをしてしまうのは大きな痛手だからです。
「あの商品、箱に詰め忘れたかも...」という不安が少しでもあるなら、テープでぐるぐる巻きになった箱でも開いて確認しろ。それがしたくないなら箱に詰める段階でダブルチェックをしろ。と配送の仕事を教えてもらった時に強く言われました。
自分は慎重なほうだと思っていましたが、序盤に何回かケアレスミスをしてしまいましたし、面倒くさがりながらもダブルチェックをしてみたら、本当に間違っていて、事なきを得たことは何度もあります。「絶対そんな簡単なミスしないだろう」と思っていることでも案外ミスしてしまうものなんですね。
大雑把な国アメリカでより慎重な人間になりました。
以上この3か月働いてみて感じたことです。
未だに英語で苦戦しまくっていますが、しょんぼりして家に帰ることも少なくなってきました。英語は伸びている実感があまりないのですが、メンタルは強くなっています。確実に。
残り約4か月。強く生きます。
最強の会話ネタ
ついに恐れていた質問をされてしまいました。
「なんで甘いもの食べれないの?」
そうです。僕は甘いものが嫌いなのです。厳密に言うと「甘すぎるもの」、例えばアイスクリームやチョコレート、バニラなどなど。大半の人間が好きな食べ物なので、信じられないといった感じで質問してきます。
この質問をされるたびに「またか...」と思ってしまうのですが、確かに僕が大好きな寿司が大っ嫌いですと言う日本人がいたら「なんで!?」って聞いてしまうでしょう。しかし、その食べ物が嫌いな理由なんて「味が気に入らないから」に尽きてしまうのです。
嫌いな食べ物トークってよく挙げられるナスとかパセリだったら、「味が気に入らない」といえば「ああ...まあそういう人よくいるよね」で終わるのですが、甘いものの味が気に入らないと言ってしまうとさらに「なんで!?」と聞かれてしまうのです。
味が気に入らない理由を聞かれても...。しかも僕のことをそれなりに知ってる人は、
「おまえイチゴ食べてたやん」
とも言ってきます。イチゴのところは人によって様々な単語が入ってきます。一般的に甘いといわれているもののすべてを嫌っているわけではありません。
ソフトクリームは食べられないけどガリガリ君は食べられる。ケーキは食べられないけどフルーツは食べられる。ココアは飲めないけど牛乳は飲める。
この境界線を説明しろと言われても自分でもよくわからなくて、とりあえず
「フルーツとはなんかスカッとしてるじゃん?味が。クリームとかチョコとかは甘ったるいうえに、食べた後も口の中に味がドロって残る感じが嫌なんだよね...」
と自分でもよくわからない返答をしています。見た目とかのイメージで食わず嫌いになってる食べ物もあるんだろうけど...
まあ一度も納得してもらったことはなくて、最後に一番言われる一言が、
「人生の○割損してるよ!」
です。○に入る数字で一番大きかったのは「9」ですが、人生の9割が甘いものに支配されてしまうような人生でなくて本当によかったと思います。
個人的な話が長くなりましたが話を戻すと、この日本語でも説明が難しい質問をされてしまったのです。
こちらに来て思ったのですが、色々な国籍の人たちがいる環境では「食べ物」って会話のテーマにも相手を理解するのにも最強のツールなんです。食品会社ということもあり、食べ物の話題は毎日のように出てきます。
会社での昼食は基本誰かが持ってきた食事を分け合うか、みんなで色々なレストランに出陣するかのどちらかですが、なぜか自国の食事は全力でディスってやろうという風潮があります。
ベトナム人のインターンをベトナム料理屋に連れて行って「このフォーはクソだ!」と言わせる、シンガポールは中国と関係が深いのでシンガポール人と中華料理屋に行くと「この小籠包はクソだ!」と言う。そして「本当のフォーはもっと...」「本当の小籠包はもっと....」と熱く語りだす。そんな風潮が周りの人たちにあり、それをみんなで楽しんでいます。
僕はその風潮に気づかず、インターン初日に連れていかれたラーメン屋さんで、微妙だったけど「おいしい!」って言ってしまいました。気を遣って嘘をついてしまう日本人の悪い習性ですね。次にお寿司屋さんへ連れていかれたときには全力でディスってやろうと思います。
また少し話がずれてしまいましたが、何が言いたかったかといいますと、こちらの人たちは自国の食事に限らず食べ物の正直な感想をものすごく求めてきます。
「これベトナムで有名な○○って食べ物だよ。家から持ってきたからちょっと食べてみてよ!」と渡され、食べた後は「どうだった?」と感想を求められる。毎日のように色々な国籍の人たちからの「これ食べてみてよ」が繰り広げられます。
そんな環境なので自分が恐れていた質問が投げられるのは時間の問題でした。ある日社員が「ケーキをもらってきたよ~」と言いながらオフィスに入ってきて、部屋の真ん中の大きなテーブルに、テーブルを埋め尽くすほど大きなケーキが広げられました。
弊社は仕事中だろうが、オフィスの中で何を食べてもOKなのです。自分の中でハッカーと呼んでいるシンガポール人のインターンは一日中ポテチをほおばりながらパソコンと向き合っています。
若い人たちばかりの会社なので、部屋の真ん中にケーキが出てきたらまあ群がる群がる...。そんな中で一人だけデスクで微動だにせずパソコンと向き合っていたらまあ目立ちます。
「食べないの?」
ああ、聞かれてしまった...。
「うん。甘いもの好きじゃないんだ。」
その直後、日本ではお目にかかれなかったリアクションとともに記事の一番最初に書いてある質問をされてしまいました。
さあ日本の友達に聞かれたような流れで質問が来るぞ。英語でどうやって説明しよう...と考えてましたが、大げさなリアクション以外にも「甘いもの好きじゃないんだ」に対するその後の反応が日本で経験したものと少し違っていたので面白かったです。
まず意地でも食べさせようとしてくる。
日本人以上に甘いものが食べられないのが信じられないというのもあると思いますが、食べ物の意見は目の前にあるものを食べてから言えという感じで迫ってきます。
日本では食べ物の感想で「おいしくないです」と言うことは失礼にあたるという風潮がありますが、こちらではおそらく食べずに「嫌い」と否定するほうが失礼にあたるのだと思います。
食文化というものはその国自身を表す一つのプロフィールで、その食べ物を体験していないのに否定することはその国自身をイメージだけで否定する「偏見」と変わらないじゃないか、そんな考えが根付いているのかなって思いました。毎日昼食を一緒に重ね、周りの人たちの会話や反応を観察していると、食べ物を食べたうえで「これは自分には合わないな」と意見するのは決してネガティブなものでないと気づきました。
例えば食べてみてといわれて渡されたものの見た目がすごくマズそうだった。ここで断ったら偏見になってしまうので、頑張って食べてみたら味は見た目ほど悪くはないけどものすごく辛かったとき。このようなシチュエーションで今までは「少し辛いけどおいしい」と無難に答えていたと思います。
しかしこちらで正直な意見を求められているという風潮を悟った後は、「辛すぎて自分には合わないかな。日本は辛い食べ物より醤油や味噌みたいに塩っぽいものが好まれて、自分もそのようなものをたくさん食べてきて育ったから合わないのだと思う」みたいに答えるようになりました。「せっかくくれたのにごめんね」という気持ちに包まれますが、それに続いて「私の国は~」みたいに話がつながっていき、最終的にはお互いの国の食文化の情報が共有できていました。
嘘ついて「おいしいです」と言ってしまうのは、相手に嫌な思いをさせないためにというのが目的なのに、正直な意見を言ってみてもお互い満足して会話が終わった。なんだか狐につままれたような感覚に陥りました。
話が何度も脱線しましたが、一口でいいから食べてみろというプレッシャーに負けほんの少し食べてみましたが、案の定受け付けない味でした。ゆっくり咀嚼しながら「無理っす」という表情を全力で作り、本当にケーキがダメということを理解してもらいました。
その次にされた質問は予想通りでした。
「いやおまえぷっちょ食べてたじゃん!」
「ぷっちょ」とはあのお菓子のぷっちょです。日本の有名なお菓子ですが、こちらでも2件だけ売っているお店を見つけたので、たくさん補充しては仕事中に頬張り、周りの人たちに餌付けしています。ぷっちょを知っている人は会社にいなかったのですが、僕が会社に輸出して餌付けするともう絶賛の嵐。みんなぷっちょを見せるとあからさまにテンションが上がります。
そんなぷっちょも甘いものじゃないかという反論をいただき、ここからどう説明しようと悩みましたが、
「ぷっちょはsweatだけど、ケーキはtoo sweatだ」
で最後まで押し切りました。
自分の嫌いな食べ物の話でこんなに長くなるとは思いませんでした。何が言いたかったかというと、留学する前に自分の国の食事について詳しく知っておいたほうがいいですよってことです。現地の人たちとの会話で必ずでてくる話題だからです。国籍の違う人たちと距離を縮めるテーマを考えたとき、スポーツや政治などは種目や知識に左右されがちですが、「食」は誰しもが毎日対面しているものなので何かしらの意見を誰もが持っています。会話のテーマとして最も適切ではないでしょうか。
僕みたいに「味噌が余ったから本物の味のmiso soupを作ってくれよ!」と突然言われることもあるかもしれないので、料理の勉強をしておくことをおススメします。
あとぷっちょをあげたら信頼を勝ち取れます。日本からたくさん持っていきましょう。
インターン最初の3週間
お久しぶりです。インターン始まってから3週間、ようやくブログをかける余裕ができてきました。インターンの話をするために始めたブログなので、ちゃんと書かないとですね。
さらっとどんな会社で、何をしてるのか説明すると、会社はシンガポール人の女性が社長の食品メーカー。10年目の会社ですが、今までは商品開発や健康的な食品ですよという政府の認証を得るなどの土台を固めていて、ようやく会社の製品をアメリカ中に広めていこうという段階に来れたようです。
従業員は現時点で社長を入れて12人で、そのうち8人が基本オフィスで働き、残り4人がオフィスに隣接した小さな工場で商品の製造をしています。シンガポール人、アメリカ人、メキシコ人、ベトナム人、日本人と色々な国籍の人たちが入り乱れた職場です。
インターンは僕を含めて4人で、全員がオフィスで働いています。一緒に過ごすことが多い3人なので、自分の中でのニックネームとともに彼らを紹介すると、
一人目:パリピ
26歳のシンガポール人男性。お互いの自己紹介の直後に「週末クラブに行かないか?」と誘ってくるほどのパリピ。(予定が入っていたので丁寧に断った。)インターンの中で一番年上なのでリーダー的な存在。パリピだけどシンガポールで一番優秀な大学に在学中で、仕事もできる。7月にシンガポールへ帰国予定。
二人目:ハッカー
24歳のシンガポール人?男性。韓国で生まれ、インドで育ち、パリピと同じシンガポールの大学に在学中。彼の同居人がハッカーらしい。でも彼もハッカー並みにパソコンに詳しく、彼のノートパソコンはうまく説明できないけどなんかすごいので、自分の中でハッカーって呼んでいます。
三人目:文房具
22歳のベトナム人女性。日本の文房具が大好きで暇になると新しく手に入れたシャーペンのすごさを全力で説明してくる。7月にオーストラリア有数の大学に留学予定で、彼女の仕事を自分が引き継ぐ。
いや~3人ともキャラがしっかりと立ってますね。社長が一番パワフルでキャラが濃いんですけどね。
こんな濃い人たちの中で普通の日本人である自分の存在を認識してもらえるか心配でしたが、入って3週間、彼らの中で僕のキャラがしっかり立ったようです。
ずばりおバカキャラです。
実に悔しいです。こうなってしまった経緯を説明しましょう。
インターン初日、ものすごい緊張の中、出勤して最初にしたことはみんなが来るのを待つでした。まあ時間通りに来ないです。始業時間から15分ぐらいしてからぞろぞろとやってきて、しばらくするとベトナム人のインターン(以下文房具)と共に社長に呼ばれました。
僕はほぼ入れ違いのような形で文房具と入れ替わるので、彼女が仕事を教えてくれる役割を担っていました。しかし彼女が僕のトレーニングプランを作り終えていなかったので、文房具が社長に怒られているのを隣で気まずい顔をして待つがみんなが来て最初にしたことです。ちなみにみんなの前で自己紹介みたいなことはなかったです。事前に僕の情報は共有されていたのでしょう。手の空いた時に個人個人で軽く挨拶を交わして自己紹介する程度でした。
ということで、仕事内容について書かれたトレーニングプランがないので、文房具の口頭での説明と仕事をしている様子を見ることで覚えるしかありません。
僕たちの仕事内容は、商品の配送や在庫の管理が主です。オンラインの注文通りに商品を箱に詰めて配送業者の人に渡したり、冷凍庫に商品が収まるようにかつ在庫を切らさないように、お客さんの注文や会社の宣伝用に商品がどのぐらい使われそうか見通しを立てて、商品の製造チームにどの商品をいつまでにどのぐらい生産したほうがいいか報告する、また商品だけでなく配送に使われる箱やラベルなどの品々も切らさないようにかつ量に無駄のないように注文する、主にこんなことをしています。
この仕事内容を文房具が説明しながら実践してくれますが、聞き取れないことが多々あり、何回も聞き返してしまいます。大半を聞き取れて理解したつもりになっていても、聞き取れなかった数個の単語がキーワードで、自分でやってみると全然違っていたります。
やはり仕事の様子を見るのが一番理解できますが、違うケースの対応の仕方がわからないので、つたない英語で聞きますがそれも聞き取れず、何回も何回も聞き返してしまいます。仕事内容を何度説明されても理解できないのです。
これだけだったらただの「英語できないやつ」ですむのですが、おバカキャラを確固たるものにしたのは、彼らの予想を上回る僕の常識知らずっぷりが原因でしょう。
新品のビニール袋の広げ方がわからなかったり、電子レンジの使い方がわからなかったり、お皿を手分けして洗っているとき、シンクに「Rinse」って書いてあるのを見て「(蛇口から出ている水を指さして)これリンスなの?」って聞いてしまったり...。(rinseって「すすぐ」って意味なんですね)
これ以外にも色々あります。この3週間で3か月分の恥をかきました。「日本だったらこんなミスしねーよ!」と何度心の中で叫んだことでしょう。
おバカキャラが定着すると「こいつには俺らの常識が通用しない。一から説明しないと...」という暗黙の了解がみなさんの中で共有されます。
この前パリピにオフィスで突然「Tシャツいる?」って聞かれて、「???」って顔をしていると、
「......おまえTシャツって知ってるか?」
ってみんなの前で言われました。屈辱でしたね。彼は7月にシンガポールへ帰国するので荷物を減らすためにそう聞いたらしいです。先にそっちを言えよ!お前が7月に帰国するなんて知らんかったわ!
文房具も「新しく届いた保冷材は冷凍庫に入れる。なんでだかわかる?冷凍庫っていうのは0℃より低いから凍らせることができるのよ」って説明までしてくれるようになりました。ゆっくりと丁寧に説明してくれるのはありがたいけど、さすがにそれぐらいはわかるよ...。
ということでこの3週間で一番抱いた感情は悔しさでした。特に日本でそれなりに勉強してきたつもりだったのに、聞き取ることが全然できないですし、実際に話そうとしても全然英語が出てこないことが悔しかったですね。家に帰ると毎日、「あの時なぜこんな簡単なフレーズが出てこなかった?」と後悔しています。
おバカキャラ定着も悔しいですが、わからないことを何度でも聞き返すスタンスは崩しません。これは出発直後に父親からいただいたアドバイスです。わからないことを中途半端に残して、なんとなくで処理してしまうのは一番やってはいけないですからね。バカで結構!どんなにウザがられようが、些細な疑問もわかるまで何度でも聞いてやる。
幸い人には本当に恵まれた環境です。さっきのエピソードを見ると「パリピ嫌な奴だな」と思ってしまうかもしれませんが普通に良い奴です。「Tシャツ知ってるか?」も冗談で聞いたのでしょう。(たぶん)
みんなわかりやすいようにゆっくり話したり、ジェスチャーを使って全力で表現したり、自分が理解できるように努めてくれます。本当に感謝です。
さらに話をするのが大好きな人が多いので、昼食時や仕事終わりで色々な話をします。聞き手に回ることが多いですが、自分たちの国や趣味などいろいろな情報を交換しています。この時間がとても楽しいです。そこで話した内容とかブログで共有できたらなって思っています。
最後に、実は会社のすぐ近くにピクサー本社があるのです!まあ中には入れないのですが...。
しかし社長のコネで、自分が来る1か月前に会社の人たちは中に入って見学したそうです!そ、そこはさ...新しいインターン来るまで待とうよ...。いいなあ。
ニート期間の3週間
いよいよ明日インターン初日かーー。緊張する...
アメリカに来て3週間。この期間はアメリカ生活に慣れるための準備期間という名のニート期間でした。会社の人たちに会う機会はなく、他に知り合いがいるわけでもないので、ずっと一人でふらふらしていました。一人でふらふらしていても異国での生活だと、毎日何かしら新しい発見があるので楽しいニート期間でした。
この3週間、自分の中で大きかったことをあげると、
時差ボケの破壊力はすごい
時差が10時間以上ある国に来たのは初めてだったので、時差ボケというものの威力を知らずに来たのですが、完全にやられました。こちらは16時間時差があるのでほぼ昼夜逆転です。もう日中は眠くて眠くて、夜中は寝れなくて寝れなくて。日中、寝ないようにカフェとか行くのですが、カフェでも眠くて眠くて。完全に順応するのに4日ほどかかりました。僕は夜中無駄に起きて朝を迎えると、「どうしてあんな無駄な時間を...」とすごく落ち込んでしまうので、眠さというよりはテンション的に辛かったです。時差の大きな国に行く前は、数日前からその国の時間に合わせて生活するなどの対策を打っておいたほうがいいですね。
英語の勉強機会が目白押し
この3週間、ぼっちでも人と話す機会は結構あって、電車で隣に座ったおばちゃん、カフェの店員さん、近くの大学の図書館で前に座った人など、こちらの人は初対面でもきっかけがあれば壁を作らずにどんどん話しかけてくる人が多いです。英語に自信のない人にとってはなかなかの試練です。ポケモンで言うと、道端の死角から「!」ってポケモントレーナーに見つかり、急にバトル移ってしまうときの心境に似ています。
もちろんまだ会話のたびに色々ミスをして、会話がかみ合わなくなったり、途中で聞き取れず苦笑いされたりします。しかしポケモンバトルで経験値がたまるのと同じように、会話を振り返ってみると「あれはこういう意味で言っていたのか」「次はこう返そう」とかの気づきを得られるので会話のたびに勉強になりますし、周りの会話を聞いているだけでも勉強になります。外に出るだけで何かしら英語の勉強ができるのは大きいですね。
「暗黙の了解」がわからない
高校3年の時、日本語を勉強しているオーストラリア人の高校生をホームステイで受け入れ、我が家にしばらく泊まらせたことがありました。彼と一緒に電車に乗ったとき、疲れていたのでしょう、通路に座りだしたんですね。それなりに混んでいる電車で通路に座り込むのはマナー的によくないという「暗黙の了解」が日本にはありますが、外国人からしたら確かにそんなのわからないですよね。僕もこの3週間で、彼と同じようなことをおそらく何回かしてしまっているんです。
例えば、自転車で信号待ちしているときに後ろの車にめちゃめちゃクラクションを鳴らされました。アメリカは赤信号でも右折できるので、一番右の車線の右折レーンで信号待ちしている僕が邪魔だったのでしょう。このほかにも怪訝な顔をされたシチュエーションは何度かあります。「暗黙の了解」って文化の違いを感じる大きなポイントなので面白いです。
自炊ってたいへん
こちらは外食するのも高いので極力自炊するようにしているのですが、自分一人の食事量を把握してお買い物するのって難しいですね。最初レタスとか長ネギとか肉とか「全部必要そう!」ってぽんぽん買ってましたが、腐る前に一人でレタス一玉消費しきれないもんですね。食べ物の保存方法とかよくわからなかったですし、賞味期限とか気にせず買ってたので幾多の食べ物を腐らせてしまいました。仕事が始まってバタバタする前に、食べ物の管理とか自炊の仕方をある程度把握できてよかったです。
ほかにもたくさんありますがこんなところで。自分の中で大きかったことと言っておきながら、どれもよく聞く話で行く前になんとなく思ってはいたことですが、思うのと実際に体験するのでは全然違いますね。日本で普通に暮らしていただけじゃ体験できなかったことなので楽しいです。
住んでしばらく経つと、1か月の生活費がどのぐらいになりそうかの予想もできて、この留学にかかる全費用(航空券、休学費、業者の費用、生活費、住居費、その他)を出して、滞在中1日どれぐらいかかっているかを計算したところ、自分が埼玉の安い時給のバイトで1日に頑張って稼いでいた額の倍ぐらいかかっているということが分かりました。
毎日これだけのお金がかかっているのだから、意味もなくYouTubeでお笑いの動画を見てベッドでゴロゴロしている場合ではないですね。そんな日もあったのがこの3週間の反省点です。
普通の社会人とは逆で、お金を払って仕事をさせてもらうので色々学んで楽しまなきゃ損ですよね!(多少もらえるみたいですが)
明日から6か月半頑張ります。
【準備編】住居~救世主Airbnb~
家に帰ったらイヤホンのぷにぷにが取れてました。あれほどなくなったときに存在の大きさを実感できるものってないですよね。あれ単体ってどこに売ってるんだろう...
今回は住居について。これを抑えないと生きていけませんし、滞在中一番多くの時間を費やす場所ですからね。かなり大事です。
受け入れ先決定後、真っ先に取り掛かりました。インターンなので学生寮みたいなのはないですし、ホームステイとかルームシェアのあてもないですし、それらのつての探し方もよくわからない。とりあえず業者からおすすめの住居(ホテル、アパートみたいなやつ)のURLを5つほど教えてもらったので見てみたのですが、
たたた、高い...?!
安いところで1か月20万円でした。埼玉だったらその値段で駅近の4LDKの綺麗な物件に住めるよ...
それぞれのHPをさらに詳しく見てみましたが、英語でよくわからない...。写真も少ないので内装が全然わからない...。しかもその少ない情報からでも、高い値段のわりに微妙そうなのが伝わる。うーん...
ネット上で旅行とかの宿泊先を探すときって、普通はまず「じゃらん」みたいなサイトで、条件を検索して、候補場所の説明や写真を見て、使用者のレビューも見て、いくつか絞ってから、それぞれのHPを比較、一番よさげなところを予約!って流れですよね。
海外版の「じゃらん」みたいなサイトももちろんあり、自分が一番使ったのは、Booking.comとTripAdvisorというサイト。あとレストランを予約するのに使うYelpにも意外と載ってて参考になりました。
http://www.booking.com/index.ja.html
(これらのサイトからは、どういうわけか1か月以上の予約はできないようですが、HPに飛んで直接予約すればできると思います)
ということでこれらのサイトで改めて宿泊場所を探したのですが、
めめめ、めちゃめちゃ高い...!?
おすすめされたところが一番安いレベルでした。サンフランシスコ周辺って土地がとてつもなく高いんです。バックパッカー用のドミトリーとかはもっと安いですが、スーツケース2個、リュック1個抱えた長期滞在の大学生がそんなところには住めません。数日間ひたすら探し続けましたが、最終的には、1泊1万を切る場所を見つけたら、「安い!」って思ってしまうぐらい金銭感覚が狂ってしまいました。
1か月20万のおすすめ物件もレビューを詳しく見てみると、
「部屋めっちゃ汚い!(写真付き)」「Wi-Fiが全然つながらない!」「ゴ○ブリと結構な頻度で会えるよ!」「夜うるさくて寝れない!」「パーティーピーポーの巣窟だ!」
と散々な言われよう。
しかしさすがにこれ以上高いところは厳しいので、パーティーピーポーの巣窟に出陣する覚悟をほぼ決めていました。ただ頭の片隅に残しておいた最終手段の実態を探ってからにしようと思いました。その最終手段が後に救世主となるAirbnbだったのです。
Airbnb
Airbnbとは簡単に言うと、家の空いたスペース(部屋)を貸し借りするサービスです。部屋の提供者側がプロの不動産の人ではないことが特徴です。一般の人がAirbnbというサイトに自分の部屋を登録して紹介するのです。
実は業者からおすすめ物件を紹介された書類の下のほうに、おすすめ以外の物件を探すならこのサイトとして、Booking.comと一緒にAirbnbのURLが貼ってあったんです。名前は聞いたことあったのですが、旅館業法でもめてるという印象が強くて、全然知らないのに悪いイメージを勝手に抱いていたんです。したがって困ったときの最終手段にしておこうと放置していました。
実際本当に困ったので、一応詳しく調べてみたのですが、とても魅力的でびっくりしました。即パーティーピーポー物件からの乗り換えが決定しました。実際に今使っていますが普通に良いです。
Airbnbの魅力
1.利用者の多さ
日本ではまだあまり浸透していませんが、海外ではかなりの人が物件を登録しています。そのおかげで国、値段、建物の形態、ホストの家族構成など様々な物件が紹介されていて、自分に合う条件の場所を見つけられます。
2.信用第一のシステム
提供者側がプロじゃないということで一番懸念されるのが提供者(ホスト)の信頼性ですが、そこもしっかりと考えられています。実名登録、電話番号の登録、政府認証IDの提示などが求められ、自分の詳しい自己紹介の他に、宿泊者(ゲスト)からの質問メールに対する返答率、宿泊したゲストにしか書けない部屋やその人自身の評価やコメントがすべて公開されます。予約をドタキャンすると、自動で「この人は○日前にドタキャンした」とコメントに書かれますし、部屋や対応が悪いとそのままコメントに書かれます。そのようなホストは予約がなくなり自然淘汰される仕組みになっているのです。ゲスト側も同じで実名登録、政府認証IDの提示などが求められ、ホストしか書けないコメントで評価されます。このようにお互いが信用第一で成り立っているので、正確な情報を提供し、嘘のないコメントがAirbnb上では求められます。
3.コミュニケーションが取れる
ホテルやアパートだと部屋をシェアをしない限り、コミュニケーションが取れません。共有スペースが充実しているホテルもありますが、そのようなところは僕が見つけたパーティーピーポー物件のように、しっかりとホテル側が管理していないと、泊まる客によっては、治安がとても悪くなる恐れがあります。しかしAirbnbは信用のあるホストと一緒に暮らすスタイルが基本なので、安全かつコミュニケーションが取れやすいです。
4.物件によっては長期滞在者向けの割引がある
旅行者が使うイメージの多いAirbnbですが、多くの家が1週間、1か月泊まると○○%割引と提示しています。旅行者じゃない僕には非常に助かりました。
このような魅力が今までの懸念を一気に吹き飛ばしてくれたので、早速Airbnbで物件探しをしました。特にお金の面で本当に助かりました...。値段も様々で、(サンフランシスコ付近にしては)安い値段の物件でも、質がしっかりしてそうなところはたくさんあり、良い意味で物件選びに迷えました。
予約の手順
1.会員登録をする
facebookやGoogleアカウントで即登録できます。物件を見るだけなら登録はいりません。
2.行き先で検索をする
たくさん候補が出てきますが、見てるだけで楽しいです。
3.条件付きで検索する
色々な条件をかけられます。僕は
- 個室(寝室は一人がいい。日本人でも人を選ぶようなルームシェアをいきなりは無理)
- ベッドで寝れる(床に布団敷くのは腰によくない)
- キッチンあり(基本自分で作った和食が食べたいから)
- Wi-Fiあり(家でもパソコン使って作業したいので)
- 必需品あり(荷物を減らせるので)
- ハンガーあり(荷物を減らせるので)
- 洗濯機あり(コインランドリーはお金かかるし手間)
- 1か月で~万円以下(1か月間の日程を設定すると月割後の値段で検索をかけてくれます)
のようにたくさん条件を付けましたが、それなりにたくさん候補が出てきました。
4.いいところを選ぶ
それぞれの物件の立地、説明、写真、評価に加えホストの自己紹介やゲストによるホストの評価を事細かに見て決定しましょう。ちなみに多くのゲストを迎え入れ、ゲストの評価が著しく高く、返答率もよく、ドタキャンがないなどの厳しい審査を乗り越えたホストはスーパーホストという称号が与えられているので、そのようなホストの物件を狙いましょう。
5.質問を送るor予約リクエストを送る
日程を指定して予約をリクエストを送るのですが、その前に質問メールを送ることもできるので、部屋や周辺の土地に関する何かしらの質問を送って、メールに対するホストの反応の仕方を見てから予約するしないの判断をしたほうがいいと思います。
6.予約リクエストが承認されたら支払情報の記入
クレジットカードの情報を打ち込みます。またこの時に最初の予約の人は政府認証IDの写真(日本人はパスポート)の提示を求められると思います。(ホストに公開するわけではないです)
7.予約完了
さあ旅の準備をしよう。
こんな流れで予約できます。現時点で伝えることができる注意点があるとしたら、予約は早めにということとプロの提供者じゃないのでドタキャンの恐れはあるということです。
Airbnbは利用者がたくさんいるので、人気のホスト(特にスーパーホスト)の物件は基本的に先数か月予約が埋まっています。いいところに住みたいという人は、遅くとも2か月前には探し始めたほうがいいです。
それと提供者が一個人なので、理不尽な理由だけでなく、病気とかのやむを得ない事情でホストからキャンセルされてしまう場合もあるでしょう。一応支払ったお金は宿泊初日の翌日までAirbnbが保管しているようなので、返金されるor新しい物件を紹介して差額を受け取るor払うという対処をしてくれます。しかし直前のドタキャンだといい物件が他に残ってる可能性は低いです。そのリスクは頭に入れておきましょう。
ということで、土地が高すぎて住居探しに困ってるという長期滞在の人にも、短期の旅行にもAirbnbはおススメです。安いところはテントから、高いところは豪邸までユニークな物件がたくさんあるので、サイトを眺めてるだけでも面白いです。東南アジアとか土地の安いところだったら、1泊4000円でプール付きの豪華な物件に泊まれるみたいです。就活終わったら行きたいなー。
こんな感じでたくさん書きましたが、まだ一軒しかAirbnbを使用していない素人です。この7か月の滞在の間は、Airbnbで1か月ごとに色々な家を転々として、アメリカ人の暮らしを肌で感じてこようと思っているので、7か月の滞在が終わったらまた、実際の体験をもとにもっと詳しいAirbnbの総評を書こうかなと思います。
最後に、Airbnbでも(土地の高いところだと)日本の土地基準で考えたら安くはないので、もっと安く済ませたいという人はルームメイト募集の掲示板をあたってルームシェアするか、現地の大学生とかが長期休みに旅行で不在となる期間に借りる(サブレット)が一番いいと思います。タイミング次第ですが。
これらの情報は全然調べていないので紹介できません。申し訳ないです。都市名とともに検索したら出てくると思いますが、留学先の友達とかに直接聞くのが一番いいと思います。
【準備編】携帯電話~Softbank最強説~
やっとお米をふっくら炊けるようになりました。おいしいです。(こちらは炊飯器がないので鍋炊きです)
前回の記事で受け入れ先決定までを書いたので、今回はその後のアメリカ生活準備について書きます。
前回供述したように、僕は斡旋業者を介して受け入れ企業を見つけたのですが、決定後は今までの手厚いサポートが嘘のようになくなりました。事前に聞いていましたが、航空券、住居、その他諸々の手続きは自分でしなくてはいけなかったのです。(もちろん質問をしたら答えてくれます)
最初は「高い費用払ってるんだから全部やってくれよ...」と面倒くさがっていましたが、実際に進めてみると楽しかったです。
海外インターンや留学の生活準備は、色々としなくてはいけないことがあるうえ、それぞれに選択肢がたくさんあります。行き先決定という最大の目的を果たした後にこれは正直面倒くさいです。そんな面倒くさがりさんのために、業者によっては滞在中の住居や食事までも確保してくれる手厚いサポートのところもあります。(その分費用は高くなると思いますが)
しかし自分で色々準備を進めるということも悪くはありません。自分で決定しなくてはいけないことがたくさんあるということは、自分に合った生活を好きなように構築できるということですし、実際の生活で不満が生じても割り切れやすくなります。
海外での生活は、今までの日本での暮らしでは当たり前だったことができなかったり、当たり前にあったものがなかったりします。いくら事前に情報を得ても、想定外のことは起き、不便さや不満を感じることが必ずあるでしょう。よくよく考えると当たり前ですが、僕は家に炊飯器がないのは盲点でした。電子レンジもなかったです。
炊飯器は鍋で代用できるので大きな問題ではないのですが、代用できないこともたくさんあります。業者によって与えられた生活環境でそのようなことがたくさんあると、その環境を選んだのが自分ではないので、ただ不満を募らせ、ストレスをため込んでしまいがちです。さらに環境を変えるのも難しいです。しかし生活準備に関して、たくさんの選択肢の中から自己責任で選んだ環境なら、不便なことがあっても「自分で選んだ環境だし」と割り切れますし、いざとなったら環境も変えやすいです。
もちろん他人に決められた環境で不便さを感じてもすぐ受け入れられる人もいるでしょう。こればかりは個人の性格によるので、「準備めんどくさい。文句言わないから全部やって」って人は手厚いサポートのところを、生活において色々と譲れない条件のあるケチな人は受け入れ先決定に特化したところを選ぶのがいいと思います。このように生活準備のサポートの度合いも業者選びの基準に入れることをオススメします。
僕は自分で小さなミッションを一つ一つ達成していくことが好きな性格ですし、特に食や住居に関しては色々とケチな人間なので、結果的に自己責任で選択できることが多くてよかったです。必要最小限のお金で自分に極力合った生活環境を整えられた気がします。
ただ海外の情報となると、自分にとって有益な情報を見つけるのが大変です。自分で準備する範囲の広い人は色々大変だと思うので、前置きが長くなりましたが、これから行く人に向けて海外生活の準備で参考になりそうなことを【準備編】で何回かに分けて紹介していきます。僕個人がどうしたかの話が中心になりますがお役に立てれば幸いです。
今回は携帯電話について!
携帯電話
今の時代に欠かせない携帯電話。日本で契約した携帯を海外に持って行って、ネットや通話をすると高額の通信料がかかってしまいます。Wi-Fi環境下ならネットはできますが、通話はできません。短期の滞在なら通話なしでもなんとかなりますが、長期だとさすがに厳しいです。
一般的な方法はSIMフリーの携帯を日本or現地で手に入れて、現地でSIMカードを買うという方法。SIMフリーの携帯を普段日本でも使っている人は現地でSIMカードを買って入れ替えるだけです。(日本のiPhoneはSIMロックがかかっているので新しくSIMフリーの本体を手に入れなくてはなりません)
この手法が留学などで長期滞在する人の一番一般的な携帯対策だそうです。
しかし僕はこの方法を使っていません。裏ワザがあるのです。
行き先がアメリカかつSoftbankのiPhoneの人は朗報です。こんなキャンペーンがあります!
これを使えば日本で契約した携帯(iPhone)をそのまま持って行って、Wi-Fi環境下でなくても、現地でネットや通話が日本にいるときと同じ料金でできます!
これが始まった2014年9月からずっと(2016年5月現在)無料加入キャンペーン期間中で、店頭に行って申し込む必要はありません。空港に着いた瞬間、設定を少しいじるだけでアメリカ用の携帯になるのです!僕は空港に到着した瞬間、ホストに連絡する必要があったのでとても助かりました。
今現在キャンペーン終了時期は未定で、無料加入キャンペーンが終わると店頭に行って申し込まなくてはいけないみたいなので、公式サイトで期間内か調べておきましょう。
細かい情報や設定方法は上の公式サイト、または下に貼ってある記事がとても参考になったので、実際に使用する方はそちらをご覧ください。